Copilot Studio をはじめとする Copilot の購入方法|Copilot クレジットの仕組みと、従量課金・前払いの選び方
Copilot Studio のエージェントが使う Copilot クレジットと、Copilot Cowork が使う Copilot クレジットは、同じテナントの残高から引かれます。
容量パックを買っても環境に割り当てなければ、どの環境もテナント全体の残高を取り合い、容量の125%に達した時点でカスタムエージェントがまとめて止まります。しかも上限の設定は、Copilot Studio は Power Platform 管理センター、Cowork は Microsoft 365 管理センターと、別々の画面に分かれています。
Copilot Studio の購入方法には、従量課金と Copilot クレジットの前払いパックに加え、1年間の前払いプランがあります。2025年9月1日から、課金の単位は「メッセージ」から「Copilot クレジット」に変わりました。その後も、Foundry と共用できる前払いプランや、課金のされ方が異なる「ハーネス」の追加、Cowork の一般提供と、仕組みは広がり続けています。
この記事では、Microsoft の公式情報をもとに、Copilot の費用の全体像、ライセンスで追加費用がかからない範囲、4通りの購入方法の違い、上限に達したときの動き、そして利用の段階に応じた選び方を解説します。
目次
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Copilot の費用は「ライセンス」と「Copilot クレジット」の2本立て
Microsoft の Copilot 関連の費用は、大きく2つに分かれます。1つはユーザー単位で毎月支払うライセンス、もう1つは使った量に応じて消費する Copilot クレジットです。
- ライセンス:Microsoft Copilot(旧 Microsoft 365 Copilot。2026年8月に名称変更)は、米国価格でユーザーあたり月30米ドル(年間契約・年払い)。対象となる Microsoft 365 のプランの契約が別に必要
- Copilot クレジット:Copilot Studio のエージェント、Cowork、SharePoint の一部の高度な機能などで、使った量に応じて消費する共通の単位
Microsoft のライセンスガイドは、Copilot クレジットを Copilot Studio、Microsoft Copilot、Dynamics 365 や Power Platform の AI 機能などで共通に使う消費の単位と位置づけています。以下、本記事ではユーザー単位のライセンスを「Microsoft Copilot のライセンス」と呼びます。
2025年9月1日に変わったこと
2025年9月1日、Copilot Studio の課金の単位は「メッセージ」から「Copilot クレジット」に変わりました。Microsoft Learn は、前払いパックに含まれる量も、従量課金の単価も変わっていないと説明しています。実質的には名称の変更で、費用が増えたわけではありません。
ただし、Microsoft のドキュメントの一部には、今も「メッセージあたり」という旧い表記が残っています。社内で見積もりや稟議の資料を作るときは、単位を Copilot クレジットにそろえておくと混乱を防げます。
Copilot Studio は「ハーネス」によって課金のされ方が変わる
2026年8月から、Copilot Studio のエージェントは、ハーネスと呼ばれる実行の仕組みを選んで作るようになりました。ハーネスは次の3種類で、課金のされ方がそれぞれ異なります。
- Standard ハーネス:ルールに沿って動くエージェントやエージェントフロー向け。機能ごとに決まったクレジット数で課金され、課金は公開後の利用から始まる
- GitHub Copilot ハーネス:推論を重ねる複数ステップの処理向け。作成・テスト・評価の段階からクレジットを消費し、固定のレート表はない
- Copilot Chat ハーネス:Microsoft Copilot Chat を拡張するエージェント向け
同じ Copilot Studio でも、ハーネスによって「いつから」「何に対して」課金されるかが違います。本記事で紹介する課金レートは、Standard ハーネスのものです。
「Microsoft Copilot のライセンスがあれば、Copilot Studio は無料では?」
Microsoft Copilot のライセンスを全社に入れている会社がまず思うのは、この疑問だと思います。答えは「条件を満たす使い方なら、追加のクレジットはかからない」です。Microsoft Learn の課金レート表には、ライセンスを持つ利用者が使う場合は「No charge」と記されています。
条件は、社員向けの利用で、エージェントの利用者が Microsoft Copilot のライセンスを持ち、エージェントがその利用者本人の認証で動いていることです。たとえば、ライセンスを持つ社員が Teams や Copilot Chat から社内向けのエージェントを使う場合が当てはまります。
一方で、次の使い方はライセンスに含まれず、Copilot クレジットを消費します。
- ライセンスを持たない利用者:同じエージェントでも、ライセンスのない社員や社外の顧客が使った分は課金される
- 利用者の認証で動かないエージェント:Web サイトに置いた顧客向けのエージェントや、受注などをきっかけに自動で動くエージェント
- エージェントフローの一部:無料になるのは「When an agent calls the flow」のトリガーで呼ばれた場合だけで、ほかのトリガーは通常どおり課金される
- コンピューターを操作するエージェント(CUA):画面を操作する機能はライセンスに含まれない
- GitHub Copilot ハーネスのエージェント:作成中のテストを含めて課金される
また、ライセンスに含まれる利用にも公正利用の上限があり、Microsoft は上限を見直す権利を持つとしています。「ライセンスがあるから従量課金の準備は要らない」と考えず、ライセンスの外で使われる分を見込んで、購入方法を決めておく必要があります。
Copilot クレジットの買い方は4通り
Copilot Studio のライセンスガイドは、Copilot クレジットの購入方法として次の4つを挙げています。金額はいずれも Microsoft の米国価格です。
| 購入方法 | 支払いと単価 | 使い残しの扱い | 購入する場所・前提 |
|---|---|---|---|
| 従量課金 | 使った分を月末に後払い。1クレジット0.01米ドル | (前払いがないため発生しない) | Power Platform 管理センターで、Azure サブスクリプションに紐づく課金プランを作り、環境に割り当てる |
| 容量パック | 1パック月200米ドル(年払い)で、月25,000クレジット | 翌月に繰り越さない | Microsoft 365 管理センター、またはボリュームライセンスや CSP。テナント全体で共有し、環境に割り当てて使う |
| Copilot Credit Pre-Purchase Plan | 1年分を前払い。30万〜3億クレジットの9段階で、5〜20%割引 | 1年の期間が終わると失効 | Azure ポータル、または Microsoft 365 管理センター。従量課金の設定が前提 |
| Microsoft Agent Pre-Purchase Plan | 1年分を前払い。1単位=1米ドル=100クレジット相当で、3段階、5〜15%割引 | 翌年に繰り越さない | Azure ポータル。Copilot Studio と Microsoft Foundry などの利用に共通で充てられる |

前払いプランは、従量課金の「上に乗る」
Copilot Credit Pre-Purchase Plan は、単独で使う購入方法ではありません。Microsoft Learn は「前払いプランと従量課金は別々の選択肢ではなく、前払いプランは従量課金の上に重なる」と説明しています。従量課金のメーターに流れた利用料を、前払いした残高で相殺する仕組みです。
そのため、前払いプランを買っても、Power Platform 管理センターで環境に従量課金の課金プランを割り当てていなければ効きません。購入後のキャンセルや交換はできず、ほかの割引との併用もできないため、年間の利用量の見通しが立ってから買うのが原則です。
購入には、Azure サブスクリプションの所有者、または予約の購入者のロールが必要です。従量課金と前払いプランは、Azure の消費コミットメント(MACC)を消化する対象になりますが、Azure の前払い金は使えません。
Microsoft Agent Pre-Purchase Plan は、Foundry と共用する前払い
2026年に加わった Microsoft Agent Pre-Purchase Plan は、Copilot Studio と Microsoft Foundry の利用に共通で充てられる1年の前払いです。Copilot Studio だけでなく、Azure 上で生成AIのアプリやエージェントも動かしている会社では、別々に前払いするより使い残しを減らせる可能性があります。
両方の前払いプランを持っている場合、Copilot Credit Pre-Purchase Plan が先に消費されます。なお、Microsoft 365 管理センターに表示される前払いの残高は Copilot Credit Pre-Purchase Plan のものだけで、Microsoft Agent Pre-Purchase Plan の残高は表示されない点に注意が必要です。
作成者に必要なライセンス
エージェントを作る人の扱いも、購入方法で変わります。容量パックで使う場合は、作成者ごとに無償の「Copilot Studio User License」が必要で、テナントのライセンスと同じ経路で入手します。従量課金や前払いプランで使う場合は、Power Platform 管理センターの設定で「Copilot Studio Author」の役割をセキュリティグループに与えます。エージェントを使うだけの社員には、作成者向けのライセンスは要りません。
どれだけ消費するか|課金レートの目安
Standard ハーネスのエージェントは、機能ごとに決まったクレジット数を消費します。Microsoft Learn の課金レート表の主な項目は次のとおりです。
| 機能 | 消費するクレジット | Microsoft Copilot のライセンスを持つ利用者 |
|---|---|---|
| あらかじめ作った定型の応答 | 1 | 課金なし |
| 生成AIによる応答 | 2 | 課金なし |
| エージェントのアクション(CUA を含む) | 5 | 課金なし(CUA を除く) |
| テナントの Microsoft Graph を使った回答の裏付け | 10 | 課金なし |
| エージェントフローのアクション(100アクションあたり) | 13 | 課金なし(トリガーの条件あり) |
| 文書処理のツール(1ページあたり) | 8 | 課金なし |
1回のやり取りで複数の機能が同時に使われる点に注意が必要です。Microsoft Learn の例では、Microsoft Graph で裏付けた生成AIの応答は、裏付けの10と応答の2を合わせて12クレジットになります。ライセンスを持たない社員100人が1日4回ずつ使えば、1日4,800クレジットです。
推論型のモデルを使う場合は、機能ごとのクレジットに加えて、1,000トークンあたり10クレジットが上乗せされます。Microsoft は利用量の見積もりツールを公開しているので、エージェントの種類と想定の利用者数から、月の消費量を事前に見積もっておくと購入方法を選びやすくなります。
上限に達したら何が起きるか
容量パックで使っていて、消費が容量を超えると、その環境は超過の状態になります。業務を急に止めないように一定の超過は許されますが、Microsoft Learn は次のような動きを定めています。
- カスタムエージェント:テナントの前払い容量の125%に達すると無効になる。進行中の会話は最後まで続くが、その後の呼び出しは「This agent is currently unavailable. It has reached its usage limit.」などの応答で断られる
- エージェントフロー:前払い容量を使い切った時点(100%)で、新しい実行が始まらなくなる。エージェント本体は動き続ける
- 通知:テナントの管理者にメールが届き、Power Platform 管理センターにも表示される
エージェントフローはカスタムエージェントより先に止まります。「エージェントは答えるのに、申請の登録だけが動かない」という問い合わせが来たときは、まず容量を疑うと切り分けが早くなります。
環境に割り当てた容量は守られる
容量パックのクレジットは、Power Platform 管理センターで環境ごとに割り当てられます。割り当てのない環境は、テナントの残りの容量を共有して消費します。そのため、検証用の環境で想定外に使われると、本番のエージェントまで止まることがあります。
一方、本番の環境に容量を割り当てておけば、テナントの残りが125%を超えても、割り当ての残りがある限りその環境のエージェントは止まりません。さらに従量課金を設定した環境は、割り当てを使い切ると従量課金に切り替わるため、止まらずに動き続けます。業務を止められないエージェントには、割り当てと従量課金の両方を設定しておくのが基本です。
従量課金は、自分で上限をかけないと止まらない
従量課金は止まらない代わりに、使った分だけ請求が増えます。Azure の予算とアラートは通知を送るだけで、利用そのものは止めません。費用の上限をかけたい場合は、Power Platform 管理センターの「ライセンス」から Copilot Studio のエージェント管理を開き、エージェントごとに月の上限を設定します。
Copilot Studio と Copilot Cowork は同じ残高を使う
Copilot Cowork は、2026年6月16日に一般提供が始まった Microsoft Copilot の機能です。利用には Microsoft Copilot のライセンスが必要で、それに加えて実行したタスクに応じて Copilot クレジットを消費します。既定では無効で、管理者が有効化と利用上限を設定します。
見落としやすいのは、Cowork が使うクレジットが、Copilot Studio と同じテナントの残高から引かれることです。Microsoft Learn は、Power Platform 管理センターで環境に割り当てた容量や Copilot Studio が消費した分は、Cowork で使える残高から差し引かれると説明しています。消費の順番は、容量パック、前払いプラン、従量課金の順です。
Microsoft 365 管理センターの「Cost Management」
Cowork の有効化と上限の設定は、Power Platform 管理センターではなく、Microsoft 365 管理センターの「Copilot」にある「Cost Management」で行います。従量課金を有効にし、Cowork を対象にした支出ポリシーを作ると、そのポリシーに含まれる利用者が Cowork を使えるようになります。
注意したいのは、支出ポリシーが予算の枠というより「利用の許可」として働く点です。Microsoft Learn によると、上限を小さくしてもポリシーの対象者は Cowork を使え、上限の判定は非同期で行われるため、上限に達した瞬間に止まるわけではありません。上限はテナント・グループ・利用者の単位で設定できます。
Cost Management は Cowork 専用ではなく、SharePoint や OneDrive の一部の高度な機能、Work IQ API、Teams Phone Agent など、Microsoft 365 側で Copilot クレジットを消費するサービスをまとめて管理する画面です。Copilot Studio の費用を Power Platform 管理センターだけで見ていると、Microsoft 365 側の消費に気づくのが遅れます。
利用の段階に応じた選び方
4つの購入方法に優劣はなく、利用量がどれだけ見えているかで選び分けます。弊社では、次の段階で考えることをお勧めしています。

- 試す段階:Copilot Studio の試用版で作りを確かめる。試用版は期限が切れても30日延長でき、テストはできるが公開はできない。公開して試すなら従量課金にし、エージェントごとに月の上限を設定する
- 本番で使い始める段階:従量課金のまま、実際の月の消費量を測る。消費が安定してきたら、その量に合わせて容量パックを買い、本番の環境に割り当てる。超過分は従量課金で受ける
- 全社に広げる段階:年間の消費量が見えたら、Copilot Credit Pre-Purchase Plan を従量課金の上に重ねて単価を下げる。Microsoft Foundry も使っているなら、Microsoft Agent Pre-Purchase Plan も比べる
容量パックは月ごと、前払いプランは年ごとに使い残しが失効します。どちらも「多めに買っておく」ほど無駄が出やすいので、実績を測ってから買う順番が大切です。Cowork を使い始めると同じ残高から消費が増えるため、Cowork の展開計画も合わせて見込んでおきます。
この記事の要点
費用の仕組み
- 費用はユーザー単位のライセンスと、使った量に応じた Copilot クレジットの2本立て
- ライセンスを持つ社員が本人の認証で使う社内向けエージェントは、追加のクレジットがかからない。顧客向け・自動で動く・CUA は課金される
購入方法
- 従量課金、容量パック、Copilot Credit Pre-Purchase Plan、Microsoft Agent Pre-Purchase Plan の4通り
- 前払いプランは従量課金の上に乗るため、環境に従量課金の課金プランが必要。キャンセルや交換はできない
管理の勘所
- 容量の125%でカスタムエージェントが、100%でエージェントフローが止まる。本番の環境には容量を割り当てる
- Copilot Studio と Cowork は同じ残高を使い、管理画面は Power Platform 管理センターと Microsoft 365 管理センターに分かれる
弊社の支援
弊社は、Microsoft 365 と Power Platform、Azure の設計を軸に、Copilot Studio を使った AI エージェントの導入を支援しています。Copilot の費用は、ライセンス、Copilot クレジット、環境の設計、管理画面の運用が絡み合っており、どれか1つを決めるだけでは管理できません。
弊社では、エージェントの設計段階から消費量の見積もりを行い、環境の分け方と容量の割り当て、従量課金の上限設定、Cowork を含めた Microsoft 365 側の費用管理まで、お客様の利用計画に合わせて構成をご提案します。エージェントの権限の設計はAIエージェントに「権限」をどう与え、統制するかもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
こちらをクリックして「よくある質問」を表示
「メッセージ」と「Copilot クレジット」は何が違いますか?
2025年9月1日に課金の単位の名称が変わったもので、前払いパックに含まれる量も、従量課金の単価も変わっていません。古い資料で「メッセージ」と書かれている箇所は、Copilot クレジットに読み替えてください。
Microsoft Copilot のライセンスがあれば、Copilot Studio の費用はかかりませんか?
ライセンスを持つ社員が、本人の認証で社内向けのエージェントを使う場合は、追加のクレジットはかかりません。ライセンスのない利用者や顧客向けのエージェント、自動で動くエージェント、画面を操作する機能(CUA)などはクレジットを消費します。
前払いプランは Azure ポータルでしか買えませんか?
Copilot Credit Pre-Purchase Plan は、Azure ポータルのほか、Microsoft 365 管理センターの Cost Management からも購入できます。どちらで買っても、Copilot Studio で使うには環境に従量課金の課金プランを割り当てておく必要があります。
容量パックの使い残しは翌月に繰り越せますか?
繰り越せません。容量パックは毎月リセットされ、使い残しは失効します。前払いプランも1年の期間が終わると使い残しが失効するため、実績の消費量を測ってから購入量を決めることをお勧めします。
容量を超えたら、エージェントはすぐに止まりますか?
カスタムエージェントは、テナントの前払い容量の125%に達した時点で無効になります。エージェントフローは容量を使い切った時点で新しい実行が止まります。環境に従量課金を設定しておけば、超過分は従量課金で請求され、止まらずに動き続けます。
Copilot Cowork の費用は、Copilot Studio と別に管理できますか?
Cowork は Microsoft 365 管理センターの Cost Management で、テナント・グループ・利用者の単位で上限を設定できます。ただし使うクレジットは Copilot Studio と同じテナントの残高から引かれるため、Power Platform 管理センターでの割り当てと合わせて計画する必要があります。
Copilot Studio でエージェントを作りたいが、どの購入方法を選べばよいか、月にどれだけ費用がかかるか分からない、というご相談を承っています。作りたいエージェントと利用者の範囲をお聞かせいただければ、消費量の見積もりから環境の設計、費用の上限のかけ方まで、進め方をご提案します。お問い合わせよりお気軽にご相談ください。
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